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カトウ

あばれるくん


※この物語は、インナーチャイルドセッションを元にしたフィクションです。

新しい仕事をし始めた。

希望に合った好条件、こんな職場、めったに見つからない。

そう思っていた。

それなのに、働き始めた途端、心がザワつく。

感じるのは、「ちげーし!」って声。

なんで???

ここ辞めたら、他のどこで仕事すればいいっていうの?

目の前に、小さな扉があった。

小人のおうちの扉みたいなサイズ感。

どう考えても、自分が入れる大きさじゃない。

中に誰かいるかも。

呼んでみた。

すると、バーン!と勢いよく扉が開き、小さな子どもが飛び出してきた。

泥まみれの、やんちゃそうな男の子だった。

その名も、『あばれるくん』

「ちげーし」って言っていたのは、あなたなの?

仕事、やるべきことと違ってるの?

ですね。

だって、違うからね。

仕事、暴れられない。

静かだし。

暴れたいの。

あんたのちっちゃいときから中にいて、いなくなったり、戻ったりしてた。

おととしより前は、声が届かないから諦めてたけど

声が届くようになったから、最近はずっといた。

最近、激しく暴れた。

でもなんか、暴れすぎた。

んで、疲れた。

お付き合いする男の人がやんちゃだったのは、自分と合ってたから。

やんちゃだから、やんちゃが好き。

だけど、それを自分で塞いでいる。

親とか世間から、いろいろ言われたからね。

自分を満たしていれば、暴れないよ。

キャッキャするのが好きなのに、そうしないから、暴れる。

困らせたくはないんだけど、あまりにも我慢する。

それだけじゃない。

我慢してるのが、わかってないし、気づいてない。

我慢が溜まりすぎてMAXになったとき、気持ちがモヤモヤしたり、体調を崩したりする。

あんたに限界をわからせるために、「オイ!」って呼ぶ。

モヤモヤとか、体調崩すのは、自分が出してるサイン。

それは、人情でそうしてる。

自分の限界を知ってほしいんだよ。

楽しいことが見つかったら、人目を気にしないで、無邪気に楽しんで。

思いは、ストレートに表現して。

「楽しい」が見つかったら、自分も一緒に共感するからね。

そういうサインを送るから。

あんたには、そういう時間が必要。

だって、そういう人なんだから。

じゃーね!!

そう言って、泥まみれの『あばれるくん』は、勢いよく小さなドアの中に消えていった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

セッション中

「あなたのこと、あばれるくん、って、呼んでもいい?」

って聞いたら

「いーよー」

と、あっさり快諾してくれました。

インナーチャイルドって、みーんな素直なんですよネ。

一見、乱暴者。

でも、人情の厚さは人一倍。

暴れる行為にも、ワケがある。

Aさん、あばれるくんと仲良く…(・ω・`*)ネ♡

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