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カトウ

私の居場所~童心に返る~


※この物語はインナーチャイルドセッションを元にしたフィクションです。

人と比べてしまう。

「居場所がない」と感じることもある。

友だちが他の誰かと仲良くしているのを見ると、ヤキモチをやいてしまう。

「どうせ、私じゃなくてもいいんでしょ?」

周りの笑い声が耳障りに思える。

薄暗く冷たい部屋に、体育館座りをしているチャイルドがいた。

顔は伏せたまま、こっちを見ない。

淋しい。

悲しい。

辛い。

チャイルドはこう言った。

小学校の廊下が見えた。

場面が変わったところにいたのは、おさげ髪の低学年の私。

クラスのみんなは、窓側で楽しそうに遊んでいる。

それを私は、悲しそうに一人廊下から見ている。

誰か、私に気付いて。

誰かに一緒にいてほしい。

小さな私は、大人の私に向かってこう言った。

ずっと一緒にいてくれる?

小さな私を抱きしめて

「ずっと一緒だよ」と言ってあげた。

小さな私、喜んでる。そして

あげる

と言って、私の手のひらの上に、ピンクのガーベラを乗せてくれた。

暗くて冷たい部屋に場面が変わった。

チャイルドは、顔を上げて、朗らかな顔でこっちを見ている。

おかっぱ頭のその子は、自分とは別な姿のチャイルドだった。

外の空気を吸うのが好き。

自然が好き。

お花、育てたい。

外に出て、二人で一緒にお花畑を作った。

たくさんのお花に囲まれて、チャイルドは嬉しそう。

二人で話す。

「私ね、ついつい人と比べちゃうんだ。

あなたがそうしているの?」

するとチャイルドは

もし、そうだったらごめんなさい

と、涙ぐんだ。

そして、あげる。

と、ガーベラの種を、私にくれた。

もう、お部屋には行かない。

ここに残る。

もう大丈夫、ここを任せて。

暗くて冷たい部屋に閉じ込められていたチャイルドは今

明るい花畑に居場所を移し、自由になった。

ずっと、暗い部屋の中から

光のもとで楽しそうに活動している人たちを見ていた。

暗いところから見る外の世界は眩しすぎて

でも、一人じゃ部屋から出られなくて。

「大人にならなければいけない」

「いい子でいなければならない」

そう決めた日が、かつてあった。

そして、幼ごころを暗い部屋に閉じ込めた。

でも自分も、誰も、悪いわけじゃない。

だって、自分の身を守るため、必要だった。

それもまた、いいことだったはず。

これからは、明るい光の中から世界を見る。

世界の見えかたは、前とはきっと違うはず。

セッションの帰り道、お花屋さんに寄ってピンクのガーベラを買った。

ピンクガーベラの花ことばを調べたら

『童心に返る』 だった。

このお花は私の心、チャイルドそのもの。

純真で汚れのない、もう一人の小さな自分。

これからも、お花を見る度、思い出して。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

冒頭の画像は、実際にクライアントさんが帰り道に購入したガーベラです。

花ことばが「童心に返る」だとは私も知らず、もうびっくり^^;

ガーベラの可憐さって、特別な感じがするな~、って思うのは私だけでしょうか。

どうか、お花がいっぱいの温かい季節を楽しんで下さいネ♡

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