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執筆者の写真カトウ

銀色の道



※この物語は実際のハイアーセルフセッションを元にしたフィクションです



明晰夢を時々見る


夢を見ては、そこから感じ取ったメッセージをよすがに生きてきた


亡くなったおばあちゃんが、私にいろんなことを教えてくれる夢

自分のやりたいことが見つかった美しい世界にいる夢

前世?と思われる夢


「やりたいことを見つけたい」

「前世で会った男の子に会いたい」


ずっとそう思ってきたけれど、いまだに叶わない


学校卒業後は、就職できなかった

何故か、皆のように動けないし頑張れない


数年前には母が大きな病気を患った

母の介護は私がしている


どうして自分はこうなのか

わからないことがたくさんある


理由を知りたい


 

金色の風で満たされた場所に


黒い風が吹いてきた



黒い風は、赤い目の龍


動かず、ときにまばたきしながらこちらを見ている



この龍が、私のハイアーセルフ



黒い風が、どんどん広がっていき


金色の空気が見えなくなった



黒い龍に包まれた私は、小さな女の子の姿をしている



龍のエネルギーは、とてつもなく大きい


自分のエネルギーは、この龍の大きさなのか


だとしたら私は、こんなに小さい体なのに、よく立っていられるものだね




龍は、私に向かってこう言った


よく、ついて来たね




ハイアーセルフである龍に尋ねる


私の道は、この先ひらけてくるの?



龍がとぐろを巻き、私の体をぐるりと囲んだ


目の前から龍の体に沿って、銀色の細い道が一本見える


すぐにも歩き出せそうな道


道の先には明るい光がある




どうして現状から抜け出せないのか、その理由は?



ずっと、龍の体に囲われていたから


内側しか見えないし、ここ以外行くことができなかった


そうするしかなかったし「わからない」という状況以外の選択肢がなかった




私が知るべき前世はある?



前世は、暗く悲しい気持ちになるだけ


だから、体験する必要はない


気にしていた前世は、夢で見ただけで十分


これ以上、見る必要がない




前世でご縁のあった男の子、今生で会うことはできる?



銀の道を歩いて行けば、光の境目あたりで会える


道は龍の体で二巻き分あって、一巻きが一年


だから二年くらい上って歩けば、体の上の光に着く



小さな男の子が、龍の体の上にいる


男の子、一人でかくれんぼしたり、遊んでいる


そうして、女の子が来るのを楽しそうに待っている



男の子のところまで行けば、地平線のような光が見える


そこまで辿り着いたら、やりたいこともわかる



そんなに難しい道ではない


細いけれど、それ以外の道がないから真っ直ぐ行けばいい


わざわざ何かをする必要もない



今は黒しか見えないから、地獄みたいに思えている


龍の体は黒いから、上りきるまで闇しか見えない


だけど、上りきれば光がある、全部見える



ここから先は、黒さも少し薄くなる


前と比べたら閉塞感はなくなるし、地獄と感じることもなくなる


ただ、みんなと比べてしまえば、頼りない道に思えるのかもしれない


道が細くて不安に思えて、信じるのが難しいかもしれない


だけど、行く道はそれしかない




お母さんとは、前世から繋がっている?



どういう前世かはともかく、前世からのご縁はある



二年後、私は28歳になる


お母さんが夢に出てきて「28歳で結婚する」と言った


二年後に光が見えるのなら、そうなのかもしれない


ずっと苦しくて「助けてほしい」と思っていた


でも、二年かけて上がっていくしかないの?


ここまで、時間を費やし苦しんできた


少し早めてほしいくらいなんだけど…



龍のとぐろが短くなって、一巻きになった



ということは、一年分短くなり、光が近くなった


男の子に会えるのは、一年後なのかもしれない


そう思うと、そんなに辛くない



お別れのとき、龍は頭を触らせてくれた


このふれ合いが、ハイアーセルフから私へのギフト



最初「怖い」と思った龍も、今は怖くない


不思議と、自分の感覚が信じられる



 

【セッション後】

        クライアント Tさんより



夢で見た前世の男の子が、長い間心の支えになっていました


「男の子に会いたい」その気持ちがあったから、正気を失わず生きてこれました


そうでなければ、どこかで自暴自棄になっていたと思います


ずっと自分がどうしていいかわからず苦しんでいましたが、理由がわかって楽になりました


私が行くべき道を歩けるようにするため、龍が周りから遮断して守ってくれていたのに


それが悲しくて、苦しくて、だからずっと「地獄の中にいる」と思えていましたが


そうしていたのは私が道を上りやすいよう、迷わないようにしてくれていたのであって


実は、思っていたのとは違っていたとわかりました



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