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カトウ

悲しみの宴


※この物語は前世退行セッションの内容を元にしたフィクションです。

ストレスを感じたとき、ドカ食いするのはよくあることだったけど

最近食べた後、自分の意思で嘔吐するようになった。

無心になって大量に食べ、ある程度食べたところでハッとする。

そして吐く。

その後、「また食べなきゃ」と思う。

元々、食べるのは好きだった。

でも、こんなの楽しくない。

失意のまま、眠りについた。

神殿の入り口に階段があり、そこに黒い男性が座っていた。

(ΦωΦ)

明らかに食い過ぎだし、苦しそうだったから吐かせた。

ストレス発散を手伝っていた。

良かれとさえ思ってやったのに。

先ず、デブのほうへ行っとけ。

古い時代の中国。

円卓でご飯を食べている、太り気味の中年男性がいた。

名前は、ジャン。

役人をしている。

仕事は、ぺこぺこ頭を下げること。

あまり楽しくはない。

家には、年頃の一人娘とお世話係がいる。

食べている私を、娘は呆れながらも微笑んで見ている。

今はご飯の時間ではないから。

お腹がすいたらいつでも食べる。

食べるのが好き。

娘は、町一番の美人。

ずっと傍に置いておきたい。

娘さえいれば幸せ。

ある日のこと、道の向こう側に娘を見つけた。

娘のところに行こうと道を横切ったとき、転んでしまった。

倒れた私を、「どけ!」と役人が蹴る。

後ろには、馬に乗った皇帝がいた。

皇帝が通っている最中、転んで通り道を塞いだ。

しまった。目を付けられてしまった。

その後、家に役人が来た。

殴られ、頭を踏みつけられ、手を後ろで縛られた。

そして役人はこう言った。

「皇帝の足を止めた罪により、皇帝に娘を献上しろ。」

私は拒んだが、役人は娘の手を後ろでつかんだ。

娘は不安のあまり、声を上げられずにいる。

その後、皇帝の元に連れて行かれた。

そして、皇帝はこう言った。

「早速明日、祝宴を挙げる。

お前は余興をしろ。

お前は食べることが好きだから、一人で満漢全席をやる場を与えよう。」

満漢全席とは、客人のもてなしで贅沢な料理がどんどん出てくる

それを3日くらいかけて食べるというもの。

普通は途中で席を立つことができるが、私が席を離れることは許されない。

そういう見せもの。

そして

娘に対する「逆らうとこうなる」という、見せしめのため。

私が途中で食べる手を止めれば、娘がムチで打たれる。

だから、食べなきゃいけない。

ただ食べなきゃいけない。

何があっても食べなきゃいけない。

食べ続けて、一日と数時間のうちに、私は死んだ。

全部、食べられなかった。

最後に、娘が私を呼ぶ声が聞こえた。

皇帝も家来も

「あのデブも、最後までたくさん食べれて本望だったろう。」

と、笑いながら言っていた。

娘が傍にいない絶望から、私は長い間、娘を探して彷徨った。

上の世界に行くと、娘が迎えてくれた。

娘はその後皇帝の子を産んだが、数年後、自ら命を絶っていた。

私の娘。

言葉にならない。

娘に抱きつこうとしたら、黒い人に蹴られた。

(ΦωΦ)

暑苦しい。娘がちょっと困ってるだろ。

確かに、娘、ちょっと鬱陶しがってるかも。

過食の原因は、多分私。

「食べなきゃいけない」と、魂に染み付いていた。

すまなかったね。

食欲はもう手放そう。

君なら大丈夫。

自分を信じれば大丈夫。

過食の原因にナビゲートしてくれた黒い人が、こう言った。

(ΦωΦ)

俺も言いたいこといっぱいあるけど、思い出せない。

起きたら切れる。

ここに来ればまた戻ってこれるけど。

リンゴが食べたくなったら、俺が話したくなったサイン。

また消えるのがイヤだ。

本当は姿を見せたい。

「これからもよろしく」と挨拶すると、黒い人は抱きついてきた。

また、必ず会いに来るね。

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