※この物語はインナーチャイルド・サブパーソナリティセッションを元にしたフィクションです。
いろんな悩みがある。
バツイチで独身、別れた彼氏のこと。
仕事のこと。
娘の学費のこと。
息子につい言っちゃうこと。
不安、心配が常につきまとう。
薄暗い屋根裏部屋の中、上には斜めについた窓
背後には取っ手のない開かない扉がある。
足元に目を移したら、自分の足じゃない。
手足は痩せていて小さく、肌は褐色。
子どもの体、女の子。
その子目線だから、どんな顔なのかがわからない。
女の子はこう言った。
したくないのにいい顔して、楽しいフリしてる。
本当は楽しんでないくせに。
それは外ヅラ。嘘ついてる。
一人でいるのは苦じゃない。
人の顔色を気にしなくていいからね。
人の目って、喋るよね。
それを感じるから、いい顔する。
できないくせにさ、できるフリして。
そゆとこがズルい。
他人にいい顔してほしくない。
実は、人が苦手かも。
でも、人が大好き。
誰かに会いたいと思ってる。
いつも私があなたを試してる。教えてる。
でも最近、私の言うこと聞かない。
私が「違うんじゃない?」って言うと「エッ?」って言う。
ちっちゃいときは、言ったとおりにしてたのに。
前の彼のこと「あの人ダメだ」って言ったじゃん。
別れたのにまたくっついて、やめとけばいいのに。
だって子どもだもん、あの男。
でもね、最近少し大人になってきたよね。
はじめはカッコつけてたけど。
私の役割は、人を繋げること。
みんな一緒に笑ってほしい。
ちいさいとき、お母さんに
「あんたはお父さんに似てブスだから笑ってなさい」
って言われて、鏡を見て笑う練習してた。
チャイルドの顔がブスかどうかがわからないので
一緒に鏡の前に立ってみた。
二人とも似た感じの子どもで、日焼けした肌にショートヘア。
自分よりチャイルドのほうが大きい。
笑顔、ブスではない。
目がまんまる、可愛い。
お母さんは、お父さんがあまりタイプじゃなかっただけなのかも。
早く鏡を見ればよかったのにね。
私のほうがお姉さんだから、教えてんの。
だってこの人、無邪気。仔犬みたい。
だから、お世話してるつもり。
この人、言うこと聞かないのに悩んでんの。
だから私が「ダメ」って言うじゃん?
すると、ニヤニヤしながら反対方向に行って失敗する。
思いついたわりに小さく動くし。
ほら自信ないじゃん?バカだな、って思う。
で、困ると私の言うこと聞く。
一回で済ませればいいのに、遠回りしてる。
ぜーんぶ、見てるからね。
この前はね
あの光ってるとこ、あの○○を持たなくていいの?
って言ったのに
「時間ない、靴履いちゃった」
って言って、持って行かなかった。
私の言ったこと、信じてもらいたい。
お母さんが言ったことじゃなくて、私が言ってるんだよ。
気づけばいいのに。
息子はね、あなたと同じで「やれ」って言うと、反対のことやる。
だから、余計なこと言わないほうがいい。
別れた旦那に息子の仕草が似てるのは、DNAだからしょうがない。
中身は半々、でも最近父親は薄くなってる。
考えかたはあなたに近い、だからぶつかる。
もっと大人になりなよ。
娘の学費のことはね、娘が決めるよ。
多分、やりかたはあなたより娘のほうが上手。
頼ってきたときは相談にのってあげて。
この子、あなたに似て強がるから、時々布団で泣いてる。
メンタルを時々気にかけてあげて。
他愛ない話をするだけでいいから。
お金作ろうと家を売っちゃったら
子どもたちが帰るところがなくなるよ。
だから売らないほうがいい。
仕事、合ってるよ多分。
やる気が出ないだけでしょ?
新しい何か、やろうとしてる。
でもそれじゃ、食べていけない。
協力者、必要……でも難し~…
前の彼が協力者だと思ってたでしょ?
でも私が「違う」って言ったじゃん。
協力してくれるパートナー見つけたら、教える。
扉、窓、開かないんだよね。
開くようにはなってるんだけど。
開きそうなとき、教える。
これからのコツは、笑うこと。
笑って「うん」って言ってなさい。
あと、あんまり余計なこと喋るな。
ここは内観の部屋。
いつも来ればいいのに。
座るところがあって、たまに鳥が来る。
奥のほうは深くてザワザワするときもあるけど、でも落ち着く。
考えない時間が今、ないんだよね。
この部屋に来れば、心が休まる。
人に触れられたくないことがあったり
私が「ダメ」って言ったのにやっちまったときとか
ここで反省会するといい。
チャイルド、偉そう。
でも、これからもまた教えてね。
とはいえ、彼女がいなくても自分でできるよう、卒業したいな…