前世退行の誤解/「特別な自分」という罠
- カトウ

- 10月3日
- 読了時間: 2分

今回は『前世退行の誤解釈/イメージの世界の落とし穴』についてお話します。
少し厳しい話になるかもしれませんが、必要な方に届きますように。
まず、最初にお伝えしたいのは――
前世の有無は、科学的には証明されていない ということ。
いきなり冷や水を浴びせるようで申し訳ないのですが、ここを外すわけにはいきません。
それではなぜ、前世退行をするのか。
ヒプノセラピーでは、その方に必要なイメージとして「前世の映像」が浮かびあがることがあります。
それは潜在意識のしくみ上、避けられないことです。
簡単に言えば「出るからやっている」
そして「出ることで心のあり方や行動の癖に変化が起きる」
セラピーの本質はそこにあります。
ただし、ここで誤解が生まれやすいのです。
「前世で自分は偉人だった」
「神の生まれ変わりだ」
そう思い込んでしまう人も、僅かにいらっしゃいます。
でもそれは、残念ながら思考の罠です。
「私は前世で誰だったのか」
その問いにとどまる限り、それは過去に縛られたままの思考停止であり、現実逃避にほかなりません。
本当に大切なのは、前世の記憶に映し出された出来事から
「どんな感情を抱いたのか」
「それが今の自分にどう繋がっているのか」
そこに目を向けることです。
「同じこと、繰り返しているよね?」
「もう、手放してもいいんじゃない?」
その気づきこそが、前世退行の着地点なのです。
もし着地点が「自分は特別な人間だった」という思い込みで終わってしまったら、それは解釈の誤りです。
その前に気づくべきは
『心の奥に、寂しさを抱えている自分がいる』ということ。
その寂しさに目を背けたままでは、いつまでも「特別」や「偉人」という幻想にすがるしかなくなります。
だからこそ、声を大にして伝えさせてください。
前世退行は、自分を大きく見せるためではなく、本当の自分を癒すためのもの。
どうか、そのことを忘れないでください。
前世のイメージが教えてくれるのは、あなたの心を軽くするヒントです。
特別さよりも『本当の自分の声』に耳を傾けてみてください。


